ビルトイン食洗器の安全点検を受けましょう

ご使用中の食洗器は購入してから何年経過しているか把握できていますか。長く使っている食洗器は部品の経年劣化が進み、そのまま使用を続けると事故につながるケースもあります。重大な事故になる前に使用している食洗器の安全を確認し、安心して使いたいものです。

ここでは経年劣化による事故を防ぐため制定された「長期使用製品安全点検制度」とその対象となるビルトイン式食洗器の点検についてご紹介します。

食洗器には卓上型とビルトイン型がある

食洗器は、主にキッチンカウンターの上に設置する卓上型とシンク下などに設置するビルトイン型の2種類があります。食洗器の発売当初は設置に必要なコストも手間も比較的軽く、故障や転居の際にも持ち運びが可能な卓上型の需要が多い傾向にありましたが、現在はキャビネット内に埋め込むタイプのビルトイン型が多くなってきています。

ビルトイン型にすると見た目がスッキリしますし、卓上型よりサイズが大きいものを選べる等の利点があり、普及が進んでいます。ですが、このビルトイン型の食洗器は卓上型では対象になっていない法定点検制度が適用になっています。

ビルトイン式電気食器洗機は長期使用製品安全点検制度の対象製品

2009年4月、消費生活用製品安全法の改正により「長期使用製品安全点検制度」が設けられました。この制度は消費者自身による補修が難しく、経年劣化による重大事故の発生のおそれが高い製品を対象としており、ビルトイン式電気食器洗機も対象になっています。

経済産業省は長期使用製品安全点検制度を「長期間の使用に伴い生ずる劣化(経年劣化)により安全上支障が生じ、 特に重大な危害を及ぼすおそれの多い9品目」に対し、「これらの9品目の製造又は輸入事業者に加えて、小売販売事業者、不動産販売事業者、建築事業者、ガス・電気・石油供給事業者などの事業者、さらには消費者等、それぞれが適切に役割を果たして経年劣化による事故を防止するための制度」であるとしています。

卓上型食洗器はこの対象にはなっていません。

長期使用製品安全点検制度による点検手順

長期使用製品安全点検制度による点検を受けるための手順は、製品の購入時からスタートします。どのメーカーでも同様ですので、手順を確認してみましょう。まずは製品購入時に長期使用製品安全点検制度の説明を受け、所有者票を受け取ります。

次に、所有者票を郵送するか、メーカーホームページから必要事項を入力することにより、所有者登録を行います。その後、製品購入後8~10年を目安に点検通知がメーカーから届きますから、電話やはがき、ホームページからの登録などの方法により、メーカーに点検を申し込みます。

メーカーからの問診や点検費用の概算の説明の後、点検日を予約します。そして、予約日に点検員が訪問し、点検を行うという流れです。

経年劣化による食洗器の事故例

食洗器は水を大量に使う製品であるため、部品の経年劣化などによりショートし、発火する事故例が多いとされています。具体的には、電気配線が扉の開閉により劣化し、洗浄液が漏れてその劣化した部分にかかってショートした例が報告されています。

また、部品が経年劣化した食洗器を使用中に外出し、外出中にショートした箇所から発火して火事になった重大事故もあります。長期間使用している食洗器によるこのような重大事故を防ぐ意味合いから、点検を徹底する必要があるのです。

点検費用はどれくらいかかるのか

点検費用についてはメーカーにより多少の差がありますが、各社とも出張費や点検技術料、その他諸経費などを含めて1万数千円程度となっています。ここで注意しなければならないのが、点検時には修理ができないということです。

点検の結果、修理が必要となれば、必要な部品などを揃えて再度訪問をしてもらうことになります。当然、修理の際の訪問に対する出張費や技術料、部品等の実費は別途必要になります。買い替えも視野に入れた状況の場合は、点検・修理をした際の費用・手間と新品を購入する際の費用・手間を比較し、検討しましょう。

修理が必要となった場合の費用負担も念頭に入れて点検を依頼するか、点検は依頼せず初めから新品に買い替えするか選ぶことになります。故障での修理と違い、長期使用製品安全点検は計画的に行えることですから、十分に検討してから対応することは可能です。

ただし、この際もう食洗器は使用せず食器は手洗いにし、修理も買い替えもしないという結論になっても、商品がある限りこの点検は必要になります。不要という場合は安全のために廃棄することになりますから、その点は注意が必要です。

不安・心配があればいつでも点検依頼可能

食洗器の長期使用製品安全点検制度による点検は、概ね8~10年を目安に行うことになります。しかし、使用頻度や使用環境(高温・多湿・井戸水使用など)により、点検時期を早める必要があるケースもあります。使っている食洗器の想定される使用頻度や注意すべき使用環境は説明書やメーカーホームページに公開されています。

内容を確認し、想定されている頻度や環境と大きな違いがあればメーカーに問い合わせを行い、積極的に点検を依頼して安全を確認することが大切です。繰り返しになりますが、食洗器による事故はショートや漏電などによる火災など、被害が重大になる可能性があります。

不安なことがあれば法定点検時期を待たず点検を受けることをお勧めします。法定点検と同様、メーカーに問い合わせを行えばいつでも点検は可能です。

製品ごとに出される点検・修理のお知らせにも注意を

2008年、TOTOの卓上型食器洗い乾燥機の点検・修理に関するお知らせが新聞広告等でなされました。「使用中に基板上の電源コネクターが発熱し、火災事故に至るおそれがある」という内容で故障が無くても、また使用していなくても必ず修理・点検をするようにとなっています。

こういった場合のように経年劣化の故障とは違い、購入後期間を置かずに点検をする必要が出ることもあります。その場合は新聞・テレビ・インターネットなどで告知されることになりますから、使用している製品の情報には日頃から注意しておくようにしましょう。

情報が入った場合は、まず製品の使用を中止します。その上でメーカーへ連絡し、点検を依頼しましょう。不明確なことがあればメーカーのホームページ掲載の情報を確認したり、メールや電話による問い合わせをしたりすることで正確な情報を得ることができます。

食洗器本体の機能で点検時期をお知らせしてくれる機種もある

長期使用製品安全点検制度の問題点として、利用者の登録率が伸びないことが挙げられています。登録がされていなければ、当然点検時期のお知らせは届きません。また、何らかの不具合が生じても、はがきやメールが使用者に届かないケースも考えられます。

こういった場合、この制度を知っていて且つ自身が使用する食洗器の購入時期を把握している場合を除いては、利用者からの点検依頼を期待することは難しくなります。このような場合に備えて、長期使用製品安全点検の点検時期を食洗器自体がお知らせしてくれるという機能を搭載した商品を用意しているメーカーがあります。

パナソニックの商品の中には、通電から10年が経過すると「点検」のランプが点灯し、点検時期が来たことを食洗器が使用者にお知らせしてくれます。製品を購入したら速やかに登録することを促しつつ、他の手段でも使用者に注意喚起するツールを増やしていくことは、より多くの事故を未然に防ぐことにつながっていきます。

このような機能がついている食洗器を使用している場合は、このお知らせを機にメーカーへ連絡し点検を受けましょう。また、この機能がない食洗器であったとしても、10年を目安に自ら点検依頼を行うことが大切です。

今からでも長期使用製品安全点検制度の登録はできる

長期使用製品安全点検制度の登録に期限はありません。数年前に購入した食洗器であっても問題なく登録できます。登録が済んでいない場合はメーカーへ連絡し、早めに登録しましょう。